スタッフ日記 | 殺人罪などの時効撤廃

平成22年7月6日(火)

今年、4月27日、殺人罪などの公訴時効の廃止、延長を柱とする改正刑事訴訟法が成立しました。今回の改正による適用は過去の事件でも時効成立前であれば対象となるということです。けれども
時効成立後の事件では適用されません。

大阪で平成7年におきた看護師の殺人未遂事件では、今年1月に15年の公訴時効が成立してしまいましたが、最近になって別の事件で逮捕された男が犯人だと判明したそうです。犯行動機はその病院に対する恨みだそうですが、何の罪もない被害者の看護師の女性は今も車椅子と介助なしでは生活できず、その後の生活や一変してしまいました。林さんの夫の良平さんは時効撤廃を訴えている「全国犯罪被害者の会」幹事を務めており、「妻は今も刺された痛みで拘束されているのに、犯人が時効によって拘束されないのが悔しい」と無念の胸中を語っていました。

海外では時効の期間はどうなっているのでしょうか。
イギリスやアメリカでは殺人事件の公訴時効は存在しないそうです。ドイツでは一般の殺人の時効はありますが、計画殺人などの謀殺については時効がありません。フランスは殺人の時効はあるのですが、当局の裁量によって時効を停止する事ができます。このように各国によって時効に対する考え方は様々です。

被害者のことを考えると、日本の15年という時効はあまりにも短すぎると思っていたので、今回、時効が撤廃されてよかったと思います。捜査の技術が進んだことで、古い遺留物など物的証拠の分析精度も高まるのではないかと期待されています。

ただ時効を撤廃してしまうと、タイムリミットがないため、逆に警察が捜査を継続しにくいというデメリットもあるそうで、実際、時効がある国の方が検挙率が高いそうです。

今後、時効撤廃をしても日本の殺人事件の検挙率が逆にアップするようにと願っています。(フロッグ東本)