スタッフ日記 | ヨウ素について

平成23年4月6日(水)

昨日4月6日、福島第一原発近くの海水から法令限度濃度の約750万倍に上る放射性ヨウ素131が検出されました。非常に高い濃度が検出され漁業への影響も深刻になってきました。

原発の避難区域の方々に配られる「安定ヨウ素剤」とはどのようなものなのでしょうか。
放射線ヨウ素は体内に取り込まれると甲状腺に蓄積され、将来、がんになる可能性が高まるといわれています。安定ヨウ素は自然界にあるヨウ素で、これを服用するとさらにヨウ素を摂取しても、過剰なヨウ素の大半は尿として排出されるという効果が得られます。このため放射性ヨウ素の吸入後であっても、8時間以内であれば約40%、24時間以内であれば7%程度、取り込みを妨げる効果が認められるとされています。ただしうがい薬などは飲むためのものではないので、絶対にやめた方がよいとのこと。

コンブやワカメを常食として食べる習慣のある日本人は他の国の人よりヨウ素摂取量が多いとされています。しかも古くからの伝統的な食習慣からか、ヨウ素の過剰摂取に対する影響が発現しにくい民族であると考えられてるそうです。安全なヨウ素で体内が満たされていれば放射線ヨウ素が体内に蓄積しにくくなる効果はありそうですから、バランスよく海草類を食べたいですね。ただしサプリメントなどで余りに過剰にヨウ素を摂取すると、甲状腺機能の低下などもあるそうですから、ご注意ください。

ところで日本はチリに次いで、世界のヨウ素の40%を生産する世界第2位のヨウ素生産国だと知っていますか?そしてそのほとんどが千葉県茂原市沖の天然ガス鉱床の地下水に含まれているのだそうです。現在は計画停電のため、ふだんの70%しか生産できないそうですが、資源の少ない日本でヨウ素が生産できるというのは心強いですね。         (フロッグ東本)