会社設立お役立ち情報 | プライベートブランド商品が好調

平成22年10月27日(水)

スーパーマーケットの売り場は、その時代の日本経済の動向や消費者の生活を映す鏡とも言われています。100年に一度といわれる深刻な不況下、価格の安さが強みとなり、プライベートブランド(PB)商品がかつてない売れ行きを見せているといいます。PBとは小売業が自ら商品の仕様書をつくってメーカーや工場に生産を発注する自主企画商品です。

PBは食料品に限らず洗剤などの日用品から、洋服、医薬品に至るまで及んでいます。西友のPBである「無印良品」から始まり、その後、価格破壊の象徴として、ダイエーによる「セービング」ブランドが作られ、現在ではセブン&アイ・ホールディングスの「セブンプレミアム」、イオンの「トップバリュ」など。イオンの「トップバリュ」はすでに約5000品目に上り、2010年度にはPBだけで7500億円まで売り上げを伸ばす計画だと言います。

けれども棚がプライベートブランドだらけになることには、消費者は危機感を持っているようです。朝日新聞が行ったアンケート調査によると、プライベートブランドをもっと増やしてほしいかどうかという問いに対して、「増やしてほしいは39%、今のままでよいが57%、減らしてほしいが4%」となっており、現状ぐらいでとどまっていた方がよいと思っている人が多いようです。

また専門家によると、日本人はブランド好きでなので、現在20~30%といわれるナショナルブランド(NB)とプライベートブランドの価格差がもっと縮まり、15%や10%になれば、PBの売り上げはしだいに低下していくと予想しています。しかもNB商品の代替品としての需要がほとんどですから、小売業全体としては売り上げは伸びていないというのです。

しかし最近はNBブランドにはないPB商品が多く見受けられるようになり、購入する「ワクワク感」が感じられるものも出てきました。さて数年後にはどんな状況になっているのか興味のあるところです。