会社設立お役立ち情報 | NPO法人の税制見直し

平成22年5月6日(木)

すっかり身近になった「NPO法人」ですが、全NPO法人が4万以上あるのに対して、税制の優遇措置が受けられる認定NPO法人は全国にたった136(5月1日現在)しかないのをご存じでしょうか。認定NPO法人になるためには国税庁に一定の基準で「公益性」を認めてもらわなくてはならないのですが、この認定基準はとても厳しく、また手続きも複雑とあって、結局、数が増えないのだそうです。

先日、国会で民主党の「新しい公共」作りの方針を受けて特定非営利活動法人(NPO法人)の税制見直しが決まりました。見直しの柱は、個人の寄付を増やすための優遇措置の拡充や、対象となるNPO法人の認定基準の緩和となりそうです。

NPO法人の運営は寄付で成り立っていますが、寄付の優遇は従来、寄付額を課税対象となる所得から差し引く所得控除だけで、高所得層にしか恩恵が及ばないと批判されてきました。 今回の改正案では控除額の上限を所得の4分の1とする案が打つ出されており、そうすると政党や政治団体への寄付が30%の税額控除なので、それより優遇されるというわけです。 

市民活動を活発にする目的でNPO法人は重要な役割を果たしてきました。したがって今回の改正案は歓迎されるべきものと言えます。しかしながら、認定の基準が緩和されることによって、税金逃れの隠れみの的な存在になってしまっては本末転倒。設立後も経営面に対して厳しいチェックは必要になるでしょう。