会社設立お役立ち情報 | 中小企業向け特許侵害保険(AIU) 

平成23年3月9日(水)

損害保険大手のAIU保険は、特許権侵害で訴えられた際の損害賠償金や弁護士費用を補償する保険を3月10日から発売するそうです。

大企業を対象にした特許権侵害の損害補償の保険は既にありましたが、中小企業でも加入しやすい保険料とするため、保険金支払限度額を1000万円に設定した今回のような一般保険商品の販売は初めてだそうです。

特許先進国の米国では、特に技術関連業界で、「特許荒らし(Patent Troll)」が問題となっています。Patent Trollとは、自らは技術開発などを行わずに、発明家や倒産企業から特許を買収し、それらを侵害する製品を販売する企業から、特許権をネタにライセンス料を請求することで成り立っている企業のこと。既に日本の大企業もその攻勢にあっており、多額の賠償金を支払わされた経緯があります。

大企業であれば弁護士や弁理士を雇うこともできますが、中小企業などは訴えられた場合、訴訟の費用だけでも経営に深刻なダメージがあります。

AIUでは「顧客情報の漏洩、機密情報の漏洩、知的財産権の侵害」を企業活動の「無形財産3大リスク」と位置付け、これらをまとめて補償することで、需要が高まると判断したものです。

中小企業が意図せずに特許権を侵害して訴えられるリスクも高まっているといいます。今後、特許に関する訴訟リスクを押さえ込みながら、積極的に研究や開発をしていくことが生き残りのカギとなるでしょう。